売ってもいいのか? 経営者のための記録仕分けシート
買い手が求めているものを、自社のもの、顧客のもの、社外に出せないものに仕分けます。所要時間は約1時間。誰かが何かを接続する前に行ってください。
記入する人経理責任者とIT担当者。
その後の相談先弁護士。防衛関連の仕事をしている場合は、輸出管理の担当者も。判断するのはその方々です。このシートは、事実をすばやく伝えるためのものです。
システムを書き出す
買い手が求めているシステムすべてに加え、古いシステムやアーカイブ用のドライブにもチェックを入れてください。
それぞれについてメモ何年分の履歴があるか。顧客のファイルは入っているか。防衛関連や輸出関連の業務は入っているか。従業員の情報は入っているか。
記録の種類ごとに仕分ける
赤:除外する
- 顧客から送られてきたファイル顧客のもの。その案件にのみ使用可。
- 顧客との契約と注文書顧客の条件、価格、ファイル。
- ITAR、輸出規制対象、CUI外国人に見せることは輸出にあたる。
- 人事、給与、医療、労働組合プライバシー法と契約の対象。
- 指紋・顔認証の勤怠データ販売を禁じている州もある。
- 弁護士とのメール売ると秘匿特権を失うおそれ。
黄:書面での同意がある場合のみ
- 特定の顧客のために作った成果物権利を主張する大手顧客もある。契約を確認。
- 見積もりと原価の履歴自社のものだが、顧客の部品番号が多く含まれる。
- メールとチャット確認したうえで、指定したメールボックスとフォルダのみ。
緑:検討してよいもの
- 自社製品と自社のやり方自社のもの。ノウハウをどこまで出すかを決める。
- 社内の業務プロセスの記録たいてい自社のもの。
- マニュアルと手順書たいてい自社のもの。
上位10社の顧客の条件を確認する
それぞれの契約書や購買条件を開き、次の言葉を検索します。
- AI
- artificial intelligence(人工知能)
- train(学習させる)
- data mining(データマイニング)
- foreground(契約の中で生まれた成果・知的財産)
- work made for hire(職務著作・委託による著作物)
- only(〜のみ)
AIの学習やデータマイニングを禁止している?その顧客の記録は赤。
「この注文にのみ使用」とある?その顧客の記録は赤。
御社が作ったものの権利を主張している?その成果物も赤。
顧客から書面で同意をもらえば、どれも変わる可能性があります。ただ、同意を求めることは、その顧客のファイルを売りたいと伝えることでもあるので、取引関係を考えて判断してください。
買い手に送るのはデータではなく、対象範囲
システム単位ではなく、顧客、メールボックス、フォルダの単位で除外してください。同じファイルがメールにも入っていることが多いからです。
対象範囲の案(協議用)。最終的な書面による契約と、当社弁護士の確認を条件とします。
含むもの:[システム]、[記録の種類]、[年]から[年]まで。
除外するもの:[顧客]に関するすべて。ITAR、輸出規制対象、CUIに関わるすべての業務。人事、給与、医療、労働組合の記録。勤怠データ。当社弁護士とのメール。以下のメールボックスとフォルダ:[リスト]。
収集方法:当社のIT業者がデータを書き出します。買い手のログインやツールを当社のシステムに接続することはありません。
この範囲で価格を再提示してください。
金額は変わるものと考えてください。何を除くといくら変わるのか、損得を見極めましょう。金額を戻すために顧客のファイルを戻すことはしないでください。